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白線文庫

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世界を知るために本を読む

最近めっきりブログの更新をしておりませんでした。
忙しくしていたのもあるのだけど、
少しでも空いた時間があると本を手にとってしまい
読んでばかりいました。

ミラン・クンデラ、ブルース・チャトウィン、
前から気になっていて読んだことのなかった作家を
立て続けに読んでいます。
どれもすごくおもしろい。はずれなし。

本について言えば、気になったものはなんでも
片っ端から読んでみたらいいのだ。
これは読めないと思ったらそこでやめればいいだけ。
いつかまた読める時がくるかもしれない。
ちょっとがんばったらおもしろくなるということもあるから
どこで本を置くか、その見極めも大事だけれど。

気になるってことは、本が呼んでるんだと思う。
それはタイトルだったり表紙の意匠だったり
装丁の美しさ、持ち上げた時の重さ、質感、手触り、匂い。
理由はなんでもよくてその本がなんだか気になる
という実感が重要。
そうだ、何事につけ理由なんてものは
本当はなにもないのかもしれない。
人は理由をつけるのが好きなのだ。
理由とか意味とかいうもので安心するのだ。
たまにふと思うのが、自分が本を選んでいるように
思っているけど、実は本の側が人を選んでいるんじゃ
ないだろうかということ。
そう考えるとちょっとおもしろい。

そして気になった本がうまく手に入ったら、
それはその本を読む絶妙のタイミングなのです。

昨日、遅ればせながら、『1Q84』を読了。
そのうち手に入ったら読もうと思っていたのだけど、
先日お客さまが、読み終わったからと置いていってくださり
(ありがたや)すぐに読む。没頭。

で、これ、どのくらいの人が読んでるんだろう。
ちょっと調べてみる。2010年の時点で
シリーズ総売上が300万部を突破しているらしい。
単純に、ものすごい数の人がこの本を読んでいる
ということだな。それくらいの理解しかできない。

私は天邪鬼なのか、ベストセラーになると
売れてるから読んでるみたいで恥ずかしいなと思ったりして
(自意識過剰ですね)読みたいと思いながら
タイミングを逸してしまったりするのだけど
村上春樹はやっぱり読みたい。
読みたいものは読みたいのだ。
ずっと気になっていたわけです。

というわけで、『1Q84』。
良く出来た小説でした。
ものすごく力のあるフィクション。
いささか良く出来すぎているのかもしれない。
村上春樹風に言えば。
読んでる中で、私が常々考えていることに
ぴったりくるような描写が多くて少し困惑。
この本、前に読んだのかな、いや、読んでないはず。
でももしかするとこれを読んだ多くの人が
似たようなことを感じているのかも、と思い直す。
そしてさらに困惑。

いい本を読んだ後はいつも必ずいろんなことを
深く考えてしまうのだけど、考えが飛躍して、
どうして本を読むのだろう、というところに行き着いた。

物語の中で出てきた、
「説明しなければわからないことは、説明してもわからない」
この言葉を発端にして。

私の答えは、「世界を知りたいから」なのだと思う。
単純に今世界で何が起こっているのかということを
情報として知りたいんじゃなく、
深い智慧として本当に世界を知ること。
目には見えないけどなんとなくあるということだけはわかる
「世界のほんとう」のようなものを感じてみたい。

本を読むこと、人の話と自分のこころに注意深く耳を傾けること。
これらが世界を知るためのひとつの方法なんじゃないかと
思っています。少なくとも私にとっては。今のところ。

白線文庫には、今までもこれからも
「世界を知る」ための本を集めていきたいと思います。
どういうことかよくわからない、と言われましても、
「説明しなければわからないことは、説明してもわからない」
のです。
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by hakusenbunko | 2011-09-20 15:00 | 雑記
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