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白線文庫

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困ってる人

結局のところ、この世知辛い世の中で生き延びていくにはユーモアが不可欠なんだ、と思う。私の好きな作家たちは、ものすごく困難なことを、軽やかにしなやかに、おかしみに変えてしまう。カート・ヴォネガットも然り、佐野洋子も然り。あるエッセイの中で佐野洋子が、「どんな悲惨な状況の中にも人は滑稽さを見つけることが出来る」というようなことを書いていた。不器用なんだけど、絶望を避けて生きる方法を経験的に見出した人たち。
どうしていきなりこんなことを言い出したかというと、大野更紗さんの『困ってる人』を読んだから。すごく良い本なんです。題名の通り、いや題名以上に、困難な病気に直面して「困ってる人」である大野さん自身のお話なんだけど、驚くほど明るくて、軽い。しかもおもしろい。笑えるんです。状況はものすごくシビアなのにもかかわらず。そうか、この人は同情なんかして欲しいんじゃなく、ただただ生きるために書いてるんだ。文章も気持ちよくて、軽妙な、小気味よいリズムでぐいぐい引き込まれます。ぜひいろんな方に読んでもらいたい。ちなみにこの本は白線文庫ではお求めになれません。新刊書店でどうぞ。
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by hakusenbunko | 2011-10-17 19:23 | ご紹介
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