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白線文庫

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お知らせ

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本日、7月28日(日)は17時半頃までの
営業とさせていただきます。
ご迷惑おかけしますがよろしくお願いいたします。


二軒隣のSHOZO音楽室へ
ランテルナムジカの公演に行ってきます。
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by hakusenbunko | 2013-07-28 09:00 | お知らせ

ぼくらが旅に出る理由

「物語は心の薬」という言葉からはじまって
ここのところなんとはなく考えていた。

おもしろい小説(物語)というのは、
興味深い展開や描写で読み手を引き込み
最後まで惹き付けて離さない。
それは磨けば身に付く技術的なこと。
もちろんセンスだって必要。
でも優れた小説にはそれだけでなく
他にも重要な要素がある。

それは、多かれ少なかれ読み手の誰もが抱えている
心の中の闇にさりげなく光をあてる力を持っている
ということではないかな。
つまり物語にたましいを吹き込むことに
成功しているということ。

だから心が揺さぶられるのだ。
今の自分にぴったりとくるすばらしい物語を
読み終わった時に感じるあのめまいのような、
自分と一緒に世界がふわっと揺れる感じ。
どきどきしてなんだか心許ない、
それなのに心地いい高揚感のあるような、
そんな感覚。
そう、それは「酔い」という言葉で表すのが
近いのかもしれない。

本物の物語の持つ光は優しくあたたかく
闇を照らし出しゆっくりと溶かしていく。
良質の芳醇なお酒の酔いのように。

きっと音楽も一緒なのだな。
旅に出ることもそう。
映画でも絵でも、景色でも。
一杯のコーヒーや
おにぎりひとつだってそうなのかも。
しかるべきときにしかるべき場所にあらば。

そしてぼくらは物語への旅に出る。



昨日読み終わった小説、
ジュンパ・ラヒリの「その名にちなんで」
民族のルーツから物理的にも精神的にも
遠く離れた異国の地で暮らし生きて死ぬ
ひとつの家族を主題に、はかなくも美しい線のような
それぞれの人生が幾重にも折り重なって響く物語。

読み終わって、あっ、やられた。と思ったのでした。
私の中のなにかが溶けていったみたい。
それがなにかはまだわからないけど
(あるいはずっとわからないままなのかもしれない)
溶けたなにかがもっと美しいものになって
自分の中で再結晶するものと信じたいのだ。



もうすぐ世界をぐるっと旅した友が帰ってくる。
ああ、うれしい。
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by hakusenbunko | 2013-07-17 18:12 | 雑記

新入荷のお知らせ

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ちょこちょこと常に新しい本は入荷しているのですが、
久しぶりにどさっと仕入れました。
今回はわりに新しめの本が多いです。
せっせと棚に出していっています。
お店の模様替えも助っ人がいてくれたおかげで特急で完了。
本の並びもなんとなく変わってます。
あとは時間をかけて手直ししていきますが
前よりおもしろい並びになっていると思います。
急に暑くなったり、かと思うと涼しかったりしますが
ぜひお運びください。

さて。
仕入れた本に目を通しながら、
本って毒にも薬にもなるのだなぁ。
と、つくづく感じているところ。
本を読んだり選んだりしていて
最近急に感じるようになったことがあるのだ。
すごくいいことや真に迫ったことが書いてあるのだけど、
読みようによっては危ないのかもしれない。
特に、広い意味で自己啓発と括られるような分野の本。
まるごと鵜呑みにしたり解釈を間違えて行動したら、
それってただの迷惑な人かも。
あるいは知らず知らずのうちに自分や大切な人を
ないがしろにしてしまうことがあるんじゃなかろうか。
なんて。

マーマーマガジンの最新号(白線文庫でも発売中!
今回、とってもおもしろいです。自然農の特集。
例えば、映画「奇跡のリンゴ」を見て、農業のこと
今までそんなに興味なかったけどおもしろかった〜。
という人、もう少しだけ詳しく自然農のことを
知ってみるとより深く楽しめると思います!)
の中でアセンションについての座談会が載っていて
その中で「秘儀がオープンになってる」という話が
あったのだけど、もしかするとそのこととも
関連しているのかもと思ったり。
(しているかもしれないししていないかもしれない。)

ここからは私の仮説。
秘儀がオープンになってきていることで
本の中でもそれらが今までよりも直接的に
語られることが増えてきているのだけど、
秘儀というだけあって
取り扱いに注意が必要なものなんかもある。
その辺りを上手に説明できているものと、
これは危うい、誤解しかねないかも。
というものと。
薬にするか毒にするかは自分次第、というか。
そんな気がする。

とはいえ、毒にあたって強くなる
ということもあるのよね。
だからそんなに心配しなくても大丈夫か、うん。
なんて勝手に納得してみたりして。
(そもそも何に対して心配しているのかも
よくわからなかったりする。)


こんなことを考えていたからか
おおらかなやさしさみたいなものに
ものすごくひかれているみたい。
気がつくと手元に河合隼雄さんの本が
集まってきている。

大好きです、河合隼雄さん。
河合隼雄さんの本を読んでると
やっぱ愛だよ、愛。なんて、
古くさいキャッチコピーみたいな言葉が
臆面もなく浮かんできてしまう。
大きな大きな愛が本の中からもじわじわ
にじみ出ている、そんな感じ。
ありがたい気持ちになるのだ。
お会いしたこともないのに
あのぽかぽかのやさしい笑顔を
向けられているような。

臨床心理学、人の心を科学的に分析するという
仕事を生業にしながら科学では認められにくい
魂というものの大切さ(いわゆる秘儀の範疇、よね)
を語り続けてきた人。

昨日、ちょうどここまで書いたところで
友人がふらりと立ち寄ってくれ
なんとなく話をしている中で
河合隼雄さんの名前が出てきて
いいよね、隼雄さん、と盛り上がったところで
探してる本があるんだって教えてくれたものが
なんと手元にあったのだ。
仕入れ立てほやほや。
それは河合隼雄さんがケルト文化を求め
アイルランドを巡った時の紀行文で、
ケルトの笛にはまっていた私が(歯科矯正中にて
あまりにも吹きづらく練習休止中)
読みたいなと思って取り置いていた本。
小さな偶然だけど、こういうのはうれしい。
(しかもなんの因果かその友人のお父さんも
最近なにかの縦笛を始めたらしい、という
なぜか笑ってしまうような偶然もありつつ。)
もちろんその本はお譲りしましたとも。

お客さんがお店で本を手に入れてくれる時って
多かれ少なかれ何かの偶然が重なって
白線文庫で本を手に入れてくれるわけで。
その本がどんなふうにその人の糧に
なってくれるかなんて知る由もないのだけど。
何かが変わる時っておおかたの場合
意図しない偶然の力が作用している。
ここが物語の交錯する場になれれば、と
改めて思った次第。

どうすればいい場所が作れるのだろう、と
そんなことをいつも考えている。

行き着く先はいつも同じで
結局はよく生きるしかないのだと、
それ自体の答えが私からは果てしなく遠いところに
辿り着いてしまうのだけど。

とにかくまいにち気持ちよく働くこと。
そのためにはまずは自分を整えることだ。
衣・食・住を大切に、家族とともに楽しむのだ。
まだまだだなぁ、と思わされることばかりで
不甲斐なくもなるけれど。
でも、まだまだと思えてるほうがいいな
ということにも最近気がついた。
まだまだであたりまえ。
私の器量じゃまだそんなもの。

わかってはいても
どうしても疲れてしまったら
全部忘れて本に没入すればいい。
疲れが心地よいものに変わるまで
毎晩少しずつゆっくりと本を読む。
そういう時に読む本は物語の本だ。
物語は心の薬だって
河合隼雄先生も言ってることだしね。

今日もとっても暑いです。
頭が働かなくなってきたのでこの辺で。

他にも、ポール・オースター、ジョン・アーヴィング
吉田篤弘などもまとまって入っています。
選りすぐりのいい本揃えてお待ちしています。
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by hakusenbunko | 2013-07-09 15:54 | お知らせ